キャッシュ比率とは?
企業の安全性を見るとき、流動比率や当座比率を確認することがあります。
その中でも、もっとも厳しく短期の支払い能力を見る指標のひとつがキャッシュ比率です。
手元の現金に近い資産だけで、どれだけ流動負債をカバーできるかを確認するときに使います。
キャッシュ比率とは、現金及び現金同等物を流動負債で割って求める安全性指標です。
流動負債とは、1年以内に支払期限が来る負債のことです。
つまりキャッシュ比率は、「今すぐ使えるお金だけで、短期の支払いにどれだけ対応できるか」を見る指標だといえます。
流動比率は流動資産全体を使って見ますし、当座比率は棚卸資産などを除いて見ます。
一方でキャッシュ比率は、さらに厳しく、ほぼ現金だけで見ます。
そのため、もっとも保守的に短期の支払い余力を確認する方法のひとつです。
この比率が高い企業は、急な資金需要や景気悪化が起きても対応しやすい可能性があります。
一方で、低すぎる企業は短期の資金繰りに注意が必要かもしれません。
ただし、現金を多く持ちすぎているだけで収益性が低い企業もあるため、高ければ何でも良いわけではありません。
キャッシュ比率は、特に安全性重視で企業を見るときに役立ちます。
借入依存が高い企業や景気変動の大きい業界では、手元資金の厚みが重要になることがあります。
流動比率や当座比率とあわせて確認することで、短期の支払い能力をより立体的に把握しやすくなります。
安全性指標の中でも、かなり厳しめの見方をする用語です。
計算式
キャッシュ比率 = 現金及び現金同等物 ÷ 流動負債 × 100
たとえば、現金及び現金同等物が50億円、流動負債が100億円なら、
キャッシュ比率 = 50億円 ÷ 100億円 × 100 = 50%
となります。
目安
キャッシュ比率の目安は業種によって異なりますが、一般的には次のように見られることがあります。
・20%未満:やや低め
・20〜50%程度:一定の支払い余力がある
・50%以上:手元資金に比較的余裕がある
ただし、資金回転の速い業種では低めでも問題ない場合があります。
投資での使い方
投資では、キャッシュ比率を見ることで短期の資金繰りの安全性を確認できます。
とくに景気悪化や金利上昇に弱そうな企業では、手元資金が十分かどうかが重要になります。
また、流動比率や当座比率と比べると、より厳しく安全性を見ることができます。
流動比率は高くても、実際には現金が少なく棚卸資産に偏っている企業もあります。
そのような場合、キャッシュ比率を確認すると、より実態に近い短期支払い能力が見えてきます。
まとめ
キャッシュ比率は、現金及び現金同等物だけで流動負債をどれだけカバーできるかを見る安全性指標です。
流動比率や当座比率よりも厳しく短期の支払い余力を確認できるのが特徴です。
短期の資金繰りや財務の安全性をチェックするときに役立ちます。
他の安全性指標とあわせて見たい、実践的な用語です。

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